初恋レモン
口角をあげて笑った顔は、
世の中の男の子がみーんな
惚れちゃうんじゃないかって思うくらい素敵だった。


「…綺麗。」


あっ、と思った時にはもう遅くて
思わず心の声が漏れて
口を手でバッと抑えた。


「え、あの、いきなりごめんなさい!」


手を大きく振って違うんです!
ってアピールしてみたけど、
みんなポカンとしていた。


ごもっともな反応…。
絶対変な子だって思われたよね?
せっかく友達になってくれたのに。


そう思ってシュンとしていると
突然ギュッと何かに包まれた。


「何この生き物可愛すぎる!
素直すぎない!?
私めちゃくちゃ気に入った!」


それはさくらちゃんの声で、
さくらちゃんに抱きしめられたんだと
ここでようやく気付いた。
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