恋を失い愛を知りました。
「ユミ、すまない。
リストラ宣告された。」
リストラ?
まだ働いたことのない私には
何十年もサラリーマンとして務めてきた
お父さんにとってどれ程辛いことかわからない。
だけど、
それがうちにとってどれほど危機的状況に陥るか
それは予想がついた。
辛そうなお父さんにかける言葉が見つからない。
「私、働くよ。
もうすぐ高校も卒業する。
大学進学を希望していたが今からでも就職に変えれば…
「ユミ、それはすごく嬉しいことだが
この家のローンが後3000万残ってるんだ。」
3000万。。!?
それはきっと私が働いてどうこうなる額じゃないことを意味していた。
「なにか、策はないかな。」
私たちが生きていくための策は。
「あるとすれば一つだけ。
ただそれはユミの人生を犠牲にしてしまう。」