敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~

「向こうの幹事さんって、どなたなんでしょう。私は会ったことない方ですか?」

「ううん、あるわよ。よーく知ってる人。『ボン』よ」

「えっ、そうなんですか?前回も凄いメンバー揃えてくださったのにまだいるんですねえ。類は友を呼ぶっていうことですかね」

「まあ人脈は凄いと思うけど、『ボン』は自分よりいい男を連れてこないのが難点よね」

「それは仕方ないですよ。あの人よりカッコいい人って滅多にいませんよ」

「ウチにはいるじゃない。社長と鉄仮面が。まあ鉄仮面は愛想ないから見た目だけは、ってところだけど。『ボン』は愛想が100点満点よね」

「ああ……そうですね。ちょっと軽すぎな気もしますが……」

「それね。本音が見えない男であるのは確かね」


阿川さん主催の合コンでは、相手は『ボン』こと剣崎さんというイケメンさんが幹事になることが多い。

『ボン』というのは剣崎さんがいいとこのお坊っちゃまであることを揶揄するもので、いつも上品な言葉遣いをする阿川さんが使う唯一の俗語だ。

剣崎さんは潮物産という大手商社のご子息で、阿川さんは重役の同行で行ったパーティで剣崎さんと意気投合したらしい。

よい友人関係だそうだけど、お互いに一度たりとも恋愛感情を抱いたことはないそうで。

阿川さんいわく、剣崎さんは自分が男に生まれていたとしたら、の姿に見えるそうだ。

美男美女で中身も似すぎている二人は、お互いの利益のために仲良くしているのだとか。


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