俺がきみの一番になる。
「えー! 信じられない!」
だって今は見上げないと顔が見えない。身体つきだって、本田君はがっしりしているし。
「身長伸ばすために、毎日神社で神頼みしてたんだ。そしたら中三の秋からどんどん伸び出して、今ではありあまってるくらい」
頭をカキカキ、笑う本田君。意外と努力家で、まっすぐな芯が一本通っている。ブレない強さを持っていて、すごいな。
「本田君ってストイックというか、真面目というか。だから神様も味方してくれたのかもしれないね」
「俺、バカだから、願いが叶うまであきらめないんだよな。絶対に叶うって信じてたら、自然と全部叶ってんの」
「すごーい!」
「あきらめない根性だけが人一倍なだけで、べつにすごくねーよ」
いや、すごいと思う。だって私には真似できないよ。
どんなに頑張っても、どうにもならないこともある。本田君は、それだけ努力してるってことだ。
「だから俺、柳内さんのことも本気だから」
なんてまた、本田君はサラッと口にする。
「本田君って……恥ずかしいぐらいにストレートだね。変化球が得意なんて、うそみたい」
冗談っぽく笑ってみせる。心臓がものすごくドキドキしていて、へんな感じ。