ボクは初恋をまだ、知らない。
「えぇっ!?…ウソッ!?」

全然知らなくて、ボクは思わず顔に両手を当てた。

うん、確かに熱いけど…

これ、もしかしてさっき……


太陽先生にも、見られた……?!!


「ほら、見て。熱ぢゃない?大丈夫?」

るなが携帯のカバーについた小さな鏡で、
ボクの顔を映した。

「……るな。どーやったら、これ。治るの?」

「ええ…?」

るなが小さな手をボクのおでこに当てた。

「あ、良かった。熱ぢゃないや。
ほっといたら治るよ。」

「ほっといたら!?太陽先生にも見られたのに!」

そう言うと、るながキラキラした目でボクを見てきた。

「太陽先生と何か…あったの??」

ボクの手を握りしめて、
なんだか真剣な眼差しで見つめてくる。

「えっと……その……実は……」

ボクは中々引かない熱っぽさに困って、
中庭にある自販機でポカリを買って
るなにさっきの話を聞いてもらう……。
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