ボクは初恋をまだ、知らない。
「………ごめんなさい。」

男の人、なんだって実感した。

アルバムを素直に返すと、ホッとした太陽先生。

「イベントは6月15日だ。
ブーケのデザインは5月末までに頼む。」

「えっ?……はい。分かりました。
ぢゃあボクはこれで。」

教室を出ようとすると、
太陽先生に呼び止められた。

「……さっきはビックリさせてごめん。」


思い出させないで……。

なんて思ってしまった。

ボクはどうゆう対応をしたらいいか分からなくて、

こっちを見てる太陽先生に分かるように
大きく頷いて、教室を出て行った。


「………ハッ、ハッ、ハッ……。」

変な緊張感が残ったままで、

少し息苦しい。


「ツッキー!呼び出しの帰り?」

階段の方からるながやって来た。

「るな!…うん。終わったよ。」

近くにひょこひょこと寄ってくるるなの顔つきが、キョトンとしたものに変わった。

「え、ツッキーどうしたの?」

「え…?なに?」


「顔、めっちゃ赤いよ…?大丈夫?」

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