ボクは初恋をまだ、知らない。
「だから、太陽くんの時計を動かしてくれた月村さんには、仲の良かった同期として感謝してるのよ。」

倉橋さんはそう言うと立ち上がり、
手を振って去っていった…。

「…倉橋さんはいつか、ツッキーの良い協力者になってくれるかもね。」

「え?!」

るなは完全に妄想ワールドに入っていた。

「そしていつかツッキーと太陽先生の関係の後押しをしてくれたら、るな得なんだが!!」

目をキラキラさせて恍惚している。

「…そんな上手くいかないよ。
それに、太陽先生はまだ珠璃さんの事想ってるもん。ボクが付け入る隙なんか無いよ。」

あの時、太陽先生が流した涙を想うと、

余計にそう思う。

だけどセンチメンタルなボクの背中を、
るなが勢いよくパーンと叩いてきた。

「!?…っゴホッ!」

「おセンチにならないでっ!
あたしみたいに!いつか実を結ぶかもしれないんだから!!」

こうゆうときのるなは、カッコイイ。

「ふふ。ありがと、るな。
ボクもまだ、想い続けるよ。」

そう言うと今度は抱きしめられた。

「あたしはツッキーを応援するからね?!」

「るながいると、心強いよ。」

ボクはるなの頭を撫でると、
猫みたいにスリスリしてきた。

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