クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「いや、えっと、でも、パパのも普通に畳んでたんで……別に……」
「ふーん」
っ?!
「ひっ」
突然、両頬を持ち上げられて、バチっと綺麗な瞳と目が合う。
「じゃあ、なんでそんな赤くなるわけ?」
「……っ、」
「ねぇ、教えてよゆるちゃん。なんで赤くなるの?」
そりゃ、本当は、恥ずかしいからに決まってる。
でも、そんなことを口に出す方がうんと恥ずかしい。
「……っ、」
「はい、意地悪するのおしまい!」
黙って何も言えずにいると、日比野さんはそう言って私の頬から手を離してくれた。
「ゆるちゃん反応がいちいち面白いからつい。質問に答えない代わりに、俺のこと瑛斗って呼んでよ。そしたら聞かないから。同じ家にいて苗字は寂しいって」
「あっ、は、はいっ。えっと、瑛斗……さん」
「うん。よくできました〜。じゃ、お仕事頑張って」
瑛斗さんは私の頭をクシャッと撫でると、自分の洗濯物をとってドアを閉めた。