俺の彼女は、キスができない。
第五章
日替わり。
「じゃあ、校外学習のグループを発表する。変更は無しだからな」
と言って、担任の阪上先生は、黒板に大きな白い紙を貼り付けた。
私の通う高校は、最近になると、一年生は校外学習が行われる。今年は、嵐山に行く日程なのだ。
先生が貼った紙には、上のほうに太字で”嵐山校外学習の行動グループ”と書いてある。そして、縦8マス・横4マスで線が引いてあった。その左の部分には、A~Hの英文字が縦に並び、右の部分には、クラス全員の名前があった。
私はCチームで、他は男女二人で、山崎 彩那さん・川下 真優さん・中原 秀樹くん・加藤 柚希くんの四人だった。

最後の男子に、目をつけた。加藤 柚希。ゆっくんだ。今、私が一番関わってはいけない相手。
ドキッとした。
この校外学習で、私はどうすればいいのだろう。

「ちなみに、校外学習は明日だからな。今日は、用意をしてしっかりと睡眠を取ること。じゃ、帰りの用意しろー」
他クラスの先生が予定を間違えたらしく、行動グループの発表は前日となったのだ。
こんなことになるなんて。思ってもみなかった。
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