太郎サンと花子サンの秘密
「あー、そろそろ帰るわー」
水のかけあいで疲れた私達は、砂浜に靴やら上着やらを脱ぎ捨てて横になっていた。
ふと、スマホで時間を確認した太郎サンが起き上がり、帰る準備を始める。
それを追いかけるようにして私も起き上がる。
『明日も来ますかー?』
「明日は来ませんネー」
あら残念。
じゃあ明日は久しぶりに服でも買いに行こうかなぁ。
あ、新しく出来たカフェ行きたいな。
服についた砂を払いながら、明日の予定を考える。
いつの間にかいなくなっていた太郎サンと、ちょっと離れたところから聞こえるエンジン音。
太郎サンが愛用してるバイクの音だ。
「ばいばい、花子サン」
『ばいばーい、太郎サン』
軽く手を振って、太郎サンは颯爽と去っていく。