だから何ですか?Ⅲ
「あーーーーっ・・・クソッ」
もう、なんか本当にグダグダだ。
全部が中途半端でスッキリしないし欲求不満だし。
とにかく、この煩わしい熱を解消しない限りはどうにも動きようがないと最終的に諦め気怠い体を動かしベッドに収まり直す。
それにしても・・・久しぶりに亜豆の匂いがついたな。と、ぐしゃぐしゃになっていた布団を直してふわりと香る甘い匂いを感じていれば。
「っ______!!」
この衝撃をどうしたら?
今更ハッとして亜豆の姿を追う様に扉を見つめても意味はなく、どうしようもない葛藤に悶えて息を吐きながら頭を抱えてしまう。
「もう・・・本当にあいつ嫌だ・・・」
普通・・・忘れるか?
さすがにこういう忘れ物は初めてだと、呆れていいのかなんなのか。
お嬢さん・・・ストッキングとパンツ穿かずによく帰れますね?
どんだけ無防備なんだ!?
いや、あり得ないだろ!?
ってか、俺何ドキドキしてんだ?
「っ・・・あ~~~っ、もうっ!!」
本当・・・、ムカつく。
ムカつくほど・・・・あんな女が好き。
散々振り回されて酷いと言える仕打ちばかり与えられている気がするのに、どうしても『嫌い』だと断絶することが出来なくて。
ムカつけばムカつくほど恋しさが募るとか・・・・俺もどうかしてる。