だから何ですか?Ⅲ
よくよく見れば足元も退院のままのサンダルで、ロングのパーカーワンピの裾からするりと覗いた足首は見た目も細けりゃ掴んだ感触まで華奢なもの。
よく体重を支えているものだ。なんて思って細い造りを見つめていれば、スッと引いて静かに床に足が下りる。
そんな刹那。
ぐきゅるるるる〜〜〜・・・。
わりかしハッキリと狭い空間に響いたのは自分の物でない腹の虫。
さぞ女心働かせ照れて見せてくれるのかと思えば、『あっ』と声を漏らしただけでその表情には微塵も羞恥を見せない亜豆。
「お腹・・・空きました」
「そのようで。・・・ってか、お前やっぱり羞恥ポイント掴めねえ。ここも照れるポイント違うんか」
「空腹でお腹が鳴るのは生きてれば当たり前の体の自然現象じゃないですか。そんな物に照れて恥じて『違うの』なんて真っ赤になる流れは無駄では?」
「お前って・・・・フッ、やっぱ変」
「そうですか」
「やっぱ、好き」
そんなおかしな羞恥ポイントも絶妙な理屈も好き。
ククッと笑いながらコンビニの袋を手に取って、そのまま腕を伸ばすと亜豆の膝にガサリと乗せた。
「あっ・・・ホワイトデーおめでと〜」
忘れちゃならないと言葉を発しニッコリと口元にも弧を描いて見せると、すでに袋を物色していた亜豆がさすがに探るような視線を持ち上げ俺を見つめた。