だから何ですか?Ⅲ
そんな肯定と反応にクスリと満足に笑い、綺麗にセットされている髪をそっと触れながら『似合って』と称賛を落とした。
「そういえば・・・会長に好かれてるんだな」
「まあ、昔っから養子に来ないかと誘われては断ってのさっきみたいな関係ですね」
なんとなく思い出したさっきの愉快な展開を話題。
苦笑いで突っ込みを入れてみれば特別表情を動かさずに淡々と語る亜豆はどういう心情であるのか。
「何で養子にならなかったんだ?」
「・・・・・」
「いや、特別・・・本気で嫌悪しての関係じゃなさそうだったし」
確かに悪態めいた扱いをしていたけれど、逆に言えばあからさまにはっきりと言えるほど親密な関係に感じた。
だったら断らず養子に入るのも一つの選択だったんじゃないかと思っただけなんだが。
俺の言葉に数秒その視線を絡める無言の間は簡潔な答えの言葉を探してなのか。
そうして一息、薄紅に彩った唇から小さく息を吐きだすと、
「麗生ちゃんは・・・『いずれ嫁として娘になるから待ってろ』と突っぱねてました」
「あはは、凄い宣言だな」
「私は・・・その話を持ち掛けられたのが・・・あの時期だったので」
「・・・・・成程。まあ、受け入れないわな」
人間不信というのか、自分以外を遮断していた時期であるなら尚の事。