だから何ですか?Ⅲ
そういう理由なら、と半分は納得しつつもやはり少しの疑問は残って。
そういう時期の申し出なら仕方ないと納得はいくけれど、その後の申し出はどんな理由から断っていたのか。
そんな疑問を音として確認すべきかどうかを迷っていれば。
「・・・・亜豆凛生でいたかったんですよ」
「・・・・えっ?」
「どうせ、その後のお断り理由も気になっていたんでしょう?」
「さすが亜豆の透し眼鏡は今日も絶好調だな」
見事読み取られていた思考には苦笑いで降参を告げる。
そんな俺に軽く肩をすくめてみせるもその口元には弧を浮かべる横姿。
そんな口元から再度、
「亜豆凛生でいたかった。・・・伊万里さんと繋がりを持ったあの女の子のままでいたかったんです」
「・・・・・」
「伊万里さんに再会するまで」
「・・・・凄え・・殺し文句」
「フッ・・・もう何度私の言葉に殺されてますか?もう完全に愛情のゾンビですよね」
「あははは、その言い方。違いないけどな」
「ゾンビ大歓迎ですよ。何度でも殺されて何度でも向かってきてください、本望です」
フフッと笑って見せる姿は俺だけにお披露目される無邪気なモノ。
そんな笑みに絆されて愛情増してもうどれほどになるのか。
暦は10月。
最初につきあったのが昨年の12月で、一度別れて5月によりを戻して。
よくよく考えたら1年も経っていないのだ。
それでもほぼ毎日顔を合わせ、亜豆が俺の部屋に泊まるのも頻繁。
半同棲と言い切れるような状態で、生活を共有しているのにそこに煩わしさはまるでない。