だから何ですか?Ⅲ
「いっまりく~ん、」
「げっ・・・・」
仕事上りの夕刻。
定時に上がる日は大抵亜豆との約束が成されていて、噂によって公認カップルな今更何も問題ではないと未だに会社の前で待ち合わせとなっている。
どうやら今日は俺の方が早かったらしく、花壇の前で携帯を弄りながらその姿を待っていれば待ち望んだ物ではない声に名前を呼ばれて顔をしかめた。
聞き覚えのある声には良い記憶なんてある筈ない。
最悪だと思いながら視線を向ければ予想通りに水色の双眸とぶつかった。
俺のしかめっ面に臆するでもなく、むしろその顔が見たかったと言わんばかりの笑みを見せて近づいてきたのは見た目ばかりはどこぞのモデルの様な三ケ月だ。
「何でいるんだよ?」
「ん~?待ち合わせ?ってかお迎えかな」
「亜豆なら俺と先約だ。残念だったな散れ」
お前の出る幕は無いと『しっしっ』とばかりに片手を振ってどこかに行けと表示したのに、それに対しても憤ることなくクスクスと響く笑い声はどこまでも楽し気で。
「別にリオを誘いになんて言ってないのに」
「はっ?」
じゃあ、誰を?なんて思って三ケ月を振り返れば、丁度何かに反応し手を上げた横姿を視界に収める事になった。