だから何ですか?Ⅲ
「___ん、・・・伊万里さん、」
ああ、デジャブ。
そう感じてしまうこの瞬間。
それだけ・・・最近同じような瞬間を繰り返していると言う事。
それに気が付いた瞬間に罪悪に似たような感覚を覚え、覗き込んでくる姿に下手くそな笑みを返すも。
ああ、これすらも・・・・デジャブ。
いつもの屋上。
隣には亜豆がいて何ら変わりなくお互いに違う銘柄の煙草を噴かせて仕事の合間の一服。
会話をすれば途切れて無言の間はある。
今までもそれは変わらなくて、特別居心地が悪い事もなかった。
それでも、いつからかジワリジワリと変化し始めていたことに最近になって気づき始める。
無言になってしまえば言いようのない虚無感から上の空になってしまって。
自己防衛の様に思考を停止しぼんやりと空を眺めて煙草の苦みや香りだけで自分が構築されて。
そのまま煙となって消えそうな感覚を覚え始める頃合いに、引き戻す様に凛とした声が俺を呼ぶ。
そうして我に返り視界に変わらぬ姿を映し込めば・・・冒頭。
「悪い、」
また一つ・・・罪悪。
『悪い』と弾く癖に性質悪く同じことを繰り返している。
本気で『悪い』と思っているのに改善できない自分の状態に嫌悪しての悪循環だ。