だから何ですか?Ⅲ






ホテルに泊まる事はなく、むしろあの部屋に負の葛藤を捨ておく様に2人で夜の下へと身を出した。


時刻は・・・22時すぎくらいだったか。


どことも行くあてはなく、それでも自分としては少し軽くなった心持ちで並び歩いて。


そうして通り過ぎさま足が向いたのは小さな公園だ。


忘れられたような位置にぽつんとあって、遊具は少なく錆びたブランコと滑り台と。



「小っせぇ公園、」


「・・・私は嫌いじゃないです」


「フッ・・・俺も」



独り言のように零した言葉であったのに、すぐに反応を返してきた亜豆にクスリと笑いながらブランコに座る。


子供用の低いブランコは座ると膝が高く折れ曲がる。


その足でなんとなく軽く揺らしつつ、ポケットから煙草を取り出し咥えると火を着けた。


ゆらりと立ち上る紫煙を何の気なしに見つめ、ブランコを囲う柵に座ってこちらを見つめていた亜豆に『吸うか?』という意思を示して煙草を差し出した。


そんな誘いに小さく口元に弧を描いて、ゆっくり立ち上がった姿が俺の前に立つと煙草を受け取り静かに噴かす。


一服し終えると華奢な指先が煙草を俺の口へと戻しに来て、俺に向けていた視線をゆっくりと公園の景観に走らせていった。



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