once again〜season2〜
「匠、何言ってるんだ?もちろん断ったんだよな?」
慌てて蓮さんが話に入ってきた。
「いや、返事は保留してきた…」
「すぐには返事出来ないですよね…。だけど、佐伯社長は最初から室長を長峰堂に引くつもりでしたよ。だから美玲を後継者にする、って、話をしたんです」
室長は私の言葉を聞いて驚いていた。目を見開き、私の顔を直視していた。
「あの時、その話が出たんだね?」
「ええ、そうです」
頷き、私は佐伯社長から聞いた事を伝えた。美玲の事で話をしに行った時に、まだ言わないでほしいと言われた事。室長には自分から話をするから、もし、室長からこの話を聞いた時は、勘違いがないように口添えをしてほしいと言われた事を。
「佐伯社長は、あくまで息子さんを後継者にするという考えに変わりはないんです。ただ、まだ学生という事もあり、今の長峰堂を任せる訳にはいかないから、フォローできる人間をそばに置きたい、と。でも、佐伯社長は室長にその気があるなら、そのまま後継者に据える事も考えるって言われてましたよ」
目の前で、はぁとため息をついた室長。
眼鏡にかかる前髪を片手で、サッとかき上げると、心中を吐露した。
慌てて蓮さんが話に入ってきた。
「いや、返事は保留してきた…」
「すぐには返事出来ないですよね…。だけど、佐伯社長は最初から室長を長峰堂に引くつもりでしたよ。だから美玲を後継者にする、って、話をしたんです」
室長は私の言葉を聞いて驚いていた。目を見開き、私の顔を直視していた。
「あの時、その話が出たんだね?」
「ええ、そうです」
頷き、私は佐伯社長から聞いた事を伝えた。美玲の事で話をしに行った時に、まだ言わないでほしいと言われた事。室長には自分から話をするから、もし、室長からこの話を聞いた時は、勘違いがないように口添えをしてほしいと言われた事を。
「佐伯社長は、あくまで息子さんを後継者にするという考えに変わりはないんです。ただ、まだ学生という事もあり、今の長峰堂を任せる訳にはいかないから、フォローできる人間をそばに置きたい、と。でも、佐伯社長は室長にその気があるなら、そのまま後継者に据える事も考えるって言われてましたよ」
目の前で、はぁとため息をついた室長。
眼鏡にかかる前髪を片手で、サッとかき上げると、心中を吐露した。