once again〜season2〜
「やっと結婚出来るのね…」

「なんだかんだとあったよな」

「そうね、問題がいろいろと…こんなもの、なわけないよね」

「これだけ問題があったんだから、当分ないだろ」

笑いながら、当分ないだろと言った蓮さんに、私は激しく同意した。

ほんと、何年分かの騒動だったもんね。後は結婚式だけ…何事もないように祈るばかりだった。

家で二人で寛いでいると、蓮さんに聞かれた。

「そう言えばさ、涼香って俺の事、いつ意識したんだ?はっきり聞いてなかったな…」

「え…いつ、って言われても…」

いつ…だろう?

確かに、総務で働いている時に、蓮さんの存在は全くと言っていいほど知らなかったんだから。

「いつ?」

「あ、いや…その」

私が詰まってしまったものだから、蓮さんは乗り出してきた。

「もしかして思い出せない?」

「ううん、そんな事ないよ」

そんな事ないよ、と言ったものの、はっきりここから!と言えるものがなかったのは事実だった。
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