once again〜season2〜

秘めた思い

私だって…初めて会った時から…

「……様…お嬢様?」

「え?あ、ごめんなさい。ぼーっとして…」

急に声をかけられ、振り向くと目の前に葛城が立っていた。

「大丈夫ですか?お疲れになったのでは?」

「だ、大丈夫だから…」

心配する葛城に大丈夫だからと、体を支えようとする手を振り払った。

こんな時の葛城は優しい。

だけど、葛城は執事として…やっているんだから、勘違いしちゃダメ。

私のものにしたいなんて思っちゃダメなんだ。

「有里華お嬢様?大丈夫ですか?」

「えぇ…大丈夫よ。今日は疲れたかも。家まで少し寝かせて」

「畏まりました。着いたら声をかけさせていただきますね。これをかけてゆっくりなさって下さい」

そう言うと、トランクからブランケットを取り出して、膝にかけてくれた。

車が静かに発進した。

カーステレオから流れてくる音楽を、聴きながら目を閉じた。


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