once again〜season2〜
模索
「帰るぞ…」

駐車場に車を停めて、俺が出てくるまで待っていた園田に声をかけた。
園田は俺の顔を見るなり、驚いた表情を見せていた。

「何か‥ありましたか」

「いや、大丈夫だ。家に帰ってくれ」

「分かりました」

園田は、親父の代から秘書をしてくれているが、必要以外の事は深く聞いてこないし、関わろうともしない、出来た秘書だ。
今日も深く聞いてこようとはしない。
私がないと言えば、それ以上の事は聞かない。それであって何かあったら、全力で俺の事で動いてくれる。心強い味方の一人だ。
今日言われた事を、園田に言ってみるか…
当たり前ですよ、と言われるのがオチか…ハハッ。

乾いた笑いが出た。

「どうしました?社長」

俺が笑ったのが、バックミラー越しに見えたようで、信号が赤になった事もあり、後ろを振り向いた。

「いや、なんでもないんだ。気にしないでくれ」

「そうですか?珍しいですね、社長がそんな風に笑うなんて」

そう言うと、園田はまた前を向いて、信号が青に変わり車を発進させた。
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