星空電車、恋電車
「なあなあ、写真撮っていい?」
ニヤつく京平先輩に「いいわけないわっ」と一喝して無理やりお店から押し出した。

本当は蹴り出したかったのだけど、そこは堪えた。エライ、私。

「ホワイトデーお待ちしてますね」

店外なので人目もある。
叩き出しといてなんだけど、にっこりと営業スマイルでお辞儀をして見送りもそこそこにさっさと店内に戻った。

閉まるドアの向こうから「ホワイトデー期待していいぞー」と聞こえた気もするが定かではない。


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