星空電車、恋電車
「ね、君たちって千夏ちゃんとゼミも一緒なの?」
山下さんが黙って硬直した私にではなく、ユキに向けて言った。
「あ、はい。ゼミも講義も一緒で」
山下さんに話しかけられたユキが頬を染めながら返事をしている。
「どこのゼミ?」
「鷹田教授のーーいつもは第3西棟にいるんですけど、来週からフィールドワークでーーー」
メンドクサイ。
ユキがこれ以上余分なことを言わないように慌てて山下さんの顔の前にスマホを出した。
「山下さん、ライン交換しましょう」
ユキといずみに向かって笑顔を振りまいていた山下さんが私を見てニコリとした。
「サクッと出しとけばよかったのに」
出すかっボケという暴言は何とか喉の奥に飲み込んだ。
講義が終わる時間を見計らっていたのだろう山下さんからラインが入った。
『聞いて欲しい話があるからこの後少し時間作ってくれない?』
画面に現れた吹き出しの文字を見て思わずため息を落とすと、隣にいたいずみがそんな私の様子を心配そうに見ていた。
「大丈夫?それ、さっきのイケメンから?どんな関係なの?」
どんな関係かと聞かれても、・・・どんな関係だろう。
「サークル勧誘の時に声かけられて知り合ったんだけど。アパートの隣の部屋の恵美さんの同級生らしいのよね」
何度か私の部屋に来ているこの二人は隣室の恵美さんとも顔見知りになっている。
「恵美さんのってことは3年生か。イケメンだったけど、ずいぶん強引だったね」
「うん、ホントそうだね」
いづみの顔は明らかに山下さんのことを”胡散臭い”と言っている。
「でも、かなりのイケメン」
ユキはうふふと笑顔を浮かべて山下さんの顔を思い浮かべているらしい。
「困ったことになっているんなら相談乗るよ」
いづみが私の顔をのぞき込んでくる。
その表情が面白がっている様子はないことに安堵し嬉しくなってきゅっと抱き付いた。
「ありがと。まだそういうわけじゃないけど、もしも・・・ってことがあったらよろしくね」
山下さんが黙って硬直した私にではなく、ユキに向けて言った。
「あ、はい。ゼミも講義も一緒で」
山下さんに話しかけられたユキが頬を染めながら返事をしている。
「どこのゼミ?」
「鷹田教授のーーいつもは第3西棟にいるんですけど、来週からフィールドワークでーーー」
メンドクサイ。
ユキがこれ以上余分なことを言わないように慌てて山下さんの顔の前にスマホを出した。
「山下さん、ライン交換しましょう」
ユキといずみに向かって笑顔を振りまいていた山下さんが私を見てニコリとした。
「サクッと出しとけばよかったのに」
出すかっボケという暴言は何とか喉の奥に飲み込んだ。
講義が終わる時間を見計らっていたのだろう山下さんからラインが入った。
『聞いて欲しい話があるからこの後少し時間作ってくれない?』
画面に現れた吹き出しの文字を見て思わずため息を落とすと、隣にいたいずみがそんな私の様子を心配そうに見ていた。
「大丈夫?それ、さっきのイケメンから?どんな関係なの?」
どんな関係かと聞かれても、・・・どんな関係だろう。
「サークル勧誘の時に声かけられて知り合ったんだけど。アパートの隣の部屋の恵美さんの同級生らしいのよね」
何度か私の部屋に来ているこの二人は隣室の恵美さんとも顔見知りになっている。
「恵美さんのってことは3年生か。イケメンだったけど、ずいぶん強引だったね」
「うん、ホントそうだね」
いづみの顔は明らかに山下さんのことを”胡散臭い”と言っている。
「でも、かなりのイケメン」
ユキはうふふと笑顔を浮かべて山下さんの顔を思い浮かべているらしい。
「困ったことになっているんなら相談乗るよ」
いづみが私の顔をのぞき込んでくる。
その表情が面白がっている様子はないことに安堵し嬉しくなってきゅっと抱き付いた。
「ありがと。まだそういうわけじゃないけど、もしも・・・ってことがあったらよろしくね」