星空電車、恋電車
通知音がしてスマホを見たユキが「え、うそでしょ。ドタキャン?今夜なのに。ひどいー」怒りだした。
メンバーの一人が今夜の予定をキャンセルしてきたのだと。

今夜も合コンセットしてたのか、いづみと私は顔を見合わせやれやれと息を吐いた。
ユキのバイト代はほとんど合コンに消えてなくなってるんじゃないだろうか。

上浦先輩はご実家がかなり裕福なご家庭らしくてお小遣いには不自由していないだろうから全然心配してないけど。

「今夜の会場ってこの間のシュミレーションゴルフができるとこなんだよね。千夏、あの時結局ゴルフ出来なかったじゃん。--だからさ、今から一緒に行かない?」

「やだ」
もちろん即答。

「ね、お願いー。やろうよ、やろうよ」

「やだ」
やるのはゴルフじゃなくて合コンでしょうが。
私はもう合コンなんて行かないと決めたんだ。



・・・なのに。

「げっ」「げげっ」

声を出したのは同時だったと思う。
参加費取らないからご飯食べに行くと思って行こうと無理やりユキに引きずられて行った合コン会場にいたのはまたもや京平先輩だった。

席が離れていたため直接会話することなく、お互い目の前にいる相手と和やかに会話していたのだけど。そのうちシュミレーションゴルフマシンのあるソファー席へと移動していく人がいて気がつけばそこだけで輪ができていた。

生憎マシン前のソファー席は6人ほどしか座れない。
男性5人、女性5人の合コンでは必然的に全員が移動できるわけじゃなくて・・・・そう、私は食事に気を取られているうちにまたも出遅れてしまったというわけだ。
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