星空電車、恋電車
そして、同じく出遅れた京平先輩と共にダイニングテーブルに残っていた・・・気まずい。

他にももう2組の男女がダイニングテーブルに残っているんだけど、そこは二人だけで自分たちの世界にどっぷりと入ってしまっているから彼らは決して出遅れ組なわけじゃない。
うん、本当に気まずい。

「・・・はぁー。センパイどんだけ合コン好きですか」

「うるせえ。お前だって同じだろーが」

チューハイ片手に隣に座ってきた京平先輩に冷たい視線を向けると、むきになって言い返してきた。

「違いますよ。私はドタキャンの人数合わせで無理やり連れて来られたってだけだし。シュミレーションゴルフやってみたかったし、ご飯タダだし」

先輩と一緒にしないでってムッとする。

「それより先輩ってまだ彼女できてなかったんですね」

「できないわけじゃなくて作らないだけだし」

今度は京平先輩がむすっとして手元のジョッキをあおった。むきになって言い返してくるあたり京平先輩は変わらないなと思う。

「作らないなら合コンなんて来る必要ないんじゃ?」
「付き合いってぇーもんがあるだろーが」

へぇー、と返事をしながら大皿に残っていたクリームチーズとキャビアのカナッペを口に入れた。

「おい、そっちから聞いといて興味なさそ-にすんな」

またもやムキになり始めるからぷっと吹き出してしまった。

「笑うなよ、センパイに対して失礼だろ」

「スミマセン。あまりに高3の頃と変わらないから笑えてきちゃって」
ケラケラと笑うと、「くっそ」と小さく呟き耳の後ろを掻いている。
そんな姿も京平先輩らしくて懐かしい。

「水口、お前はどうなの?」

「え?彼氏だよ、彼氏」

「いません。いたらたとえ人数合わせでもここには来ませんよ。そんなのどの立場から見ても失礼でしょ?」

綺麗ごととはわかっているけど、自分は付き合ってる相手にもそうだけど、合コンで出会いを探している人に対しても誠実でありたい。

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