不良な彼と恋の契約
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「おかあさん、どこ行くの?」





「ヒカリ、ごめんねっ」




あの日のことが鮮明に浮かんでは消える。


朝、頰にアザのある母親がーー
あたしに背を、向けたのが最後。。





「あいつ、どこ行きやがった!?
なんだよ、その目ーー。
あいつに似てムカつくんだよ!」


母親似のあたしはーー。



父親の次の標的だった。












おかあさんはあたしを捨てた。







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「ヒカリーー、俺らを頼ってよ」


俺は、ヒカリを抱き締めた。


「だって、周りがーー傷つくの嫌っ。
類や、想を失うの嫌っ。

わかってた。
母親は、あたしを捨てたこと。
父親は、あたしを虐待してたこと。

だけど、認めたくなかった」


いつから、ヒカリは辛かったんだろう。



「話終わった?
俺は、逃がさねーよヒカリ。
だって、ヒカリは俺の玩具だもんなっ」



ーーーーーー!?


アイツまさか、ヒカリにーー。



ヒカリを見たら、大きな目から、大粒の涙。





ニヤリ、と笑う男がヒカリに手を伸ばした。






「あたしはーー、あんたの玩具なんかじゃない!!」





力強くヒカリがそう叫んだ時だった。













「よく、言った本郷。

大丈夫だっ」



見知った声に振り向いたら、仁ーー。

側に想ちゃんと、斗真がいた。








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