不良な彼と恋の契約
暗闇がだんだん慣れて来て、輝くんの顔がよく見えた。


悔しそうに、唇を噛み締めーー
私はベッドに沈められた。

強く握るその手に、、
見つめる強い瞳に、、
どうしていいか、分からない。

慣れてきた目から、横を向いたら仁くんは寝ていた。
絶望に感じた瞬間だった。

怖くて声が出せないーー。

自分より数倍大きな男の人が、見下ろす目がーー
私を射抜いた。





「ーーじゃあ、好きにならせるしかないかな!」

えっーー、と思うのも束の間だった。


重なる唇は、仁くんじゃない。


輝くんの唇。

「ーーっ」


声にならない声。
息をする間もないぐらいの、キスの嵐。
それは、降り注ぐーー。


< 371 / 455 >

この作品をシェア

pagetop