不良な彼と恋の契約
笑えない最後の旅行の次の日。


「じゃあな、俺出てくから」


カバンを背中に背負って、家を出ようとする輝くん。


「輝くん、待って!!
出てくなんて言わないで!
私のせいならーーーー「違うよ。
想のせいでも、誰のせいでもない。
将来、仁と結婚するなら、俺居なくていいだろ。

想、幸せにな。


あ、そうだ。


たとえ離れても、空は繋がってる。


どこに行くかは言えないけど、いつだって繋がってるよ。

バイバイ、想っ」





空はいつだって繋がってる。

だから、離れても寂しくないよ。

だって、上を見たらーーーー広い空が見下ろしてる。


この空の下に、君は確かにいる。







「ありがとうな、輝」



仁くんの声に泣いたけど、許して。


だって


空は、いつだってあるから。



君が見上げた、昼間の空も
君が見上げた、夕闇の空も



ケンカして離れたわけじゃない。


「ありがとうっ、輝くん!!」




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