不良な彼と恋の契約
向かった中庭のベンチ。

「つか、あのメンバーは不自然だよね」

中庭での、休憩中。

通る度に、言われる言葉。

絶対、一緒に食わなさそうなメンバーではある。
特に、今井。
今井の存在すら、最近知ったぐらいだ。
「君達はお弁当なんだ。
意外だね!」

斗真からの手作り弁当に、視線を落とした。

「ああ、これ今朝斗真から渡されたんだよな。
三人分」

仁。
斗真のことは、今井は知らないのになんでそんな話を急に。


いや、、わざとか?

「今朝ーー?何それ。
まるで一緒に住んでるみたいなっ」

パン派の今井の手が、少しだけ震えていた。

「あー、想。
言わなかったのか?
俺達、昨日から一緒に住んでるんだ」

やっぱりーーーー。
仁のドヤ顔。

いきなり、暗くなる今井。

「そうなんだ。
けど女の子一人とか、心配だね」

そう言いつつ、仁を睨んだのは紛れもない今井だ。

「大丈夫だよ、想は俺の彼女だから。
守るからーーーー」

ガタンっ。

落としたペットボトル。
お茶が、床にシミを作る。

「わわ、今井くん、お茶っ」

慌てる想ちゃんが、床に落ちたペットボトルを、拾う。
キャップをしっかり締めた想ちゃんが、今井に渡す。

「大丈夫ーー?
どうかした?」

ある意味気づかない想ちゃんが、凄いよな。

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