旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」

雌ライオンと仔羊ちゃん。

それから大夢は毎日やってきて勉強、
宿題 予習 復習
頭がパンクするほど、叩き込まれた。


その成果も有り成績は急上昇した。
でも、大夢は誉めてくれない。
まあ大夢も受験生だから仕方ない。
一年間、大夢と離れず過ごした。


時々、ゴチンとゲンコツが飛んで
きたり指先が触れて、ドキドキ
したけど大夢は別に気にした風も
なかった。

チョッピリガッカリしたけど
ま、こんなモンか。なに期待して
んだか。

駅で女の子達が大夢を待ち伏せし
たり告白したり、
みんなスタイル良く、可愛いかった。

きっと彼女いるんじゃね。
ダヨネー。
カツコイイし。

そんなヒソヒソ話が聞こえて来る。
大夢はストレートで難関と言われる
大学に受かった。

雪菜も普通レベルの高校に合格した。

その日初めて大夢が誉めてくれた?。

「ドンケツからよくぞ立ち上がった。
 俺 なんて «天才» なんだ。」

 大夢は大仕事を終えたような、
満足感に浸っていた。



「私だって頑張ったしっ。」

プクリと
膨れた頬を人差し指と親指で押し
てくる。プスッと音をたてて口が
とんがる。


   「すっきだよ、雪菜!! 」


彼は毎日そう言っていた。
彼の中であれは告白で雪菜も

「あたしもー。」

と口癖のように返してた。
でも好きだった。

今思えばずっと大夢のなかでは付
き合っていたんだ。
雪菜が知らなかっただけ。


そんな昔の事を思い出していた。
今は大夢とは恋人だし
愛してる。


「雪菜!お正月どうする?帰る?」

去年の散々なクリスマスを思い出し
今年はハッピーな年末にしたい。

「ううん!! こっちでゆっくり
しない?
 映画も観たいし、
 初詣も大夢といきたい。 」

「OK, OK 2人でまつたりしょうな。」

    「フフ、うん。」 

念願の初詣の前のクリスマスイブ。
「ウフ、楽しみ。」だけど大夢も私も
お仕事なんだよね~。

まあ、ピザにチキンにケーキ
なんてったってツリーは必要だね。
大型モールで、ツリーを購入。
ツリーの飾りを買い込んで
マンションに帰った。

ドサリと、荷物を下ろすと身体が急
に軽く感じた。

「さあさあ、やるかぁ。」
 気合いを入れて24日、25日に向けて
 飾り付ける。


「大夢なに欲しいかなぁ、」


ネクタイ、財布、ビジネスバック?

リング欲しいなぁ。大夢とお揃いの。
安いのでいいし、私が贈るのって
変ダヨネー、リングはやめとこ。
ヤッパリ彼氏からもらいたいC -。

それに
イブはレンタルで映画もみたいなー♡♡
なんか楽しみになっちゃった。


ピチュピチュ

大きな門構、庭には何百万の鯉が
悠々と泳ぎ回っている。
庭には日本庭園が広がり
幾らするか分からない盆栽が並んで
いる。

大門隆司、大門コンツエルンの会長
見るからにいかめしく白い顎髭が
にじみ出る風格を隠すことは
出来ない。

厳然として妥協を許さない隆司は
仕事に厳しいが唯一孫娘 奈津 
には甘かった。

隆司の悩みは今年.26歳になるのに
奈津は見合いを断り続けて
結婚をしない事だった。

























< 20 / 64 >

この作品をシェア

pagetop