旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」

I LOVE YOU

会社には九条家から圧をかけておく
から心配するなと言われ甘える事
にした。
権力とは、凄いと実感した。

急いで飛行機の予約を取る。
平日なので、運良く航空券をとれた。
九条家の運営するホテルに
婆ちゃんが予約してあるからと
連絡をくれた。

俺はここまでは決まり事のように
テキパキと動けた。

空港についた。
もう一時間も座ったままだ。
どうしたらいい?どうすればいい?
勇気が出ない。

そんな疑問が降りかかり動けずに
いた。
何時も俺の足を止めるのはあの時の、
腹立ち間際に言った 


"消えてくれるよな!!"

本気じゃない。

本気な訳がない。

まさか雪菜が本気で消えるなんて
考えなかった。

はあ~つ魂が飛ぶような深いため
息をつく。

するとカップルの言い争う声がした。

「本気なわけねーだろ、何で帰るんだよ!」

「あんたが、あの女と浮気したから
じゃん、見たし

 肩くんで私の前わざと仲よく歩いて
たし!! 見たし‼」

「あれは、お前が憎たらしかった
からだよ! 本気で好きなのは
お前!!」

バッチ~ンとハエ叩きのような音が
して女の子はキヤリーバックをもっ
て歩き出した。

「あ!! やらかしたな。」

俺は呆然と立ち尽くす男に
近寄り言った。

「本気なら本気を見せないと!彼女
 違う男のモノになるぞ!! 」
 と言ってやった。

「どおした‥ら!」

「頭擦り付けて、赤くなる程やれ。」
おじさんから聞いた崖っぷちの
すがりざまを
彼にも、おすそ分けをした。

彼は彼女の元に走り土下座して頭
を擦り付けた!

「好きだ陽菜、ごめん陽菜お前しか
いない、 お前が帰るなら俺は
このまま、
 あの世にいく
 今生の別れになるぞ。
 それでも帰るならそれでいい。
 ただ 本気で愛してる、
 忘れないでくれ。お前だけ
愛してる。」

「ゲッ!! まじか!!」

そこまで本気でやるとは思わ
なかった。みた感じ、彼は本気
だった・・・!!
誰がみても本気が分かる。彼女は、
ボロボロ泣きながら

「モウッ、遅いよ!」

そう言ったが、しばらくして冷たい
視線を彼に投げ... 言った。

「じゃあ、結婚して!!じゃなきゃ
 このまま帰る。」

彼はあわててポケットから小さな
箱を出し
「こんなオレですが、お前しかい
ない、 嫁さんになってください。
本気で、愛して る。」

とプロポーズをした。

あまりの騒ぎに野次馬が集まって
いたが彼女の号泣の「ばい」
ウワーンウワーンと泣きながらの
返事を聞いたとき回りから
拍手喝采が湧き上がった。

彼は赤くなったおでこをハンカチ
で撫でながら、恥ずかしそうに回り
の人達にペコペコ
頭を下げていた。

空港のエスカレーターの前で
追いかけて来た彼に御礼を言われた。

「いや、他人事じゃないんだ、俺も
 彼女を連れ戻しに来た。
 有り難う!君に元気をもらった。
 今度は俺が頑張るよ。」

彼は「本気は伝わります。
   頑張って下さい。」
お互い名刺交換をして別れた。

そうだ俺に足りなかったのは
本気の本気だ。
強く決心し雪菜のいるケ⌒キ店へ
向かった。






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