旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」


早く引っ越し先決めよう。。
このままだとノイローゼか鬱病に
なりそう。不動産通いが始まった。


自分の勤める会社近くの1DKに
決めた。 

大夢の側にいたかったから都心に
無理して住んでたけど、ここの方が
会社にも近いし家賃もやすい、
それに空気もいいかも。

何より大夢から離れられたし
それが何よりだ。

大夢の近くに居る理由も無くなった。
遊びに行くにも何をするにも大夢に
合わせなくてもいいし。自由‥だし。

気のせいか、大夢に対して引け目
もあつた。


「あーんな、カッコイイ人の彼女?
 有り得なくない。」

とか言われたし
ほっといてと思っても言えない…。

大夢が笑われそうで怖かったし。
そんなことも考えなくていいと思うと
ストレスも無くなった。

チビで、デブで、ブスは回避された
としてもそれが引け目になって、
彼と歩く事もデートも出来なかった。



でも、一緒に居てくれた、

節目節目にはいっも二人一緒、
入園式は手をつないで、卒園式にも
手をつないで。
入学式も手をつないで
中高大も大夢の姿は常に一緒。
兄貴面ぶら下げて、いつもいつも
私の隣にあった。

    ン?

あれ?大夢の時は行ったっけ?アレ?
一回も呼ばれてなくない?

ぁ~ここら辺りできずくべきだった
なぁ~


大夢と、映画も行きたかったし

バーで飲みたかった。
大人のデートも、人並みにしたかった。



買い物も一緒にしたかったし、
食べ歩きもしたかった。
大夢が笑われると思うと出来なかった。


たまに、たま~に、一緒にいたら


「今何ヶ月?楽しみね!! 」


と、暇そうなおばちゃん達から囲
まれてお産のあり方を伝授された
りする。


(自腹です。妊娠ジャナイ!!‥言えない!)
‥‥

ン??あれ?それからって?

ずっと、お部屋デート
だったよね。もしかしたら‥いや、
やっぱりィ、大夢も私と歩くの嫌だったんだな。この辺でも気づいたらよかったのかな?


ハア~!!
そんなにしてまで付き合ってくれな
くて良かったのに。

ちび、デブと言われても、機敏な
デブだ。よく動くし、気使うし
ドンマイ…。
テンション低くガッッポーズ。

駅まで30分かけて歩く。
ふと駅に見知った顔が合った。


「大夢…」


大夢も雪菜に気がついて手を上げた。
(ん、なんでいるのさ?ムカ〜)
そう思いながら‥
雪菜はどうした態度をとるか、悩ん
でしまう。

「おはよう。」
やはりイケメンの挨拶は爽やかに
聞こえる。

       「おはよ。‥」

ボソッと呟く。(会いたくなかったな。)
そう思うのは許してほしい。
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