姫は王となる。
部屋の外に出ると、待っていた警備兵たちが膝まつき頭を下げた。
「王様。さっきの…」
後ろに付いている老婆が話をしようとしたが、手を挙げ制止させた。
「説教は後で聞く。それよりも、副長」
「はっ」
「風の居場所はわかったのか?」
老婆や副長に背を向けながら、そう聞いた。
「はっ…風様は、護衛隊の本部にいらっしゃいます」
「そうか」
休みと言いながら、護衛隊の本部にいるとはー…
コツコツとヒールの音を立て、歩き出す。
すると、当たり前のように老婆と副長、警備兵たちが付いてくる。
「…ここからは、護衛はいらん」
ピタリと足を止め、背を向けたままそう言った。
「しかし…」
「今日はもう職務は終わりだ。今からは、私も休む…いいだろ?老婆」
「…はい。王様」
「と、いうことだ。何かあったら、すぐに呼ぶ。それまで、待機」
そう言い再び歩き出すと、もう老婆や副長や警備兵たちは付いて来なかった。
「…バレバレか」
老婆には、私がどこに向かっているのか予想がついているからだろう。
きっと、この城の中で一番安全な場所ー…