姫は王となる。
「王様、溜め息はもっと小さく吐いてください」
「…あぁ」
小さく吐いたつもりの溜め息だったが、隣に立つ老婆には聞こえてしまったらしく注意されてしまった。
風の護衛任務を解いたのはいいが、後任のことなど全く考えていなかった。
確かに王族の護衛長を務めるのは代々、風の家の者たちだった。
そこを、今さら変えるとなるとー…やっぱり、大変なことなのか?
「まさか、王様の個人的な感情じゃないでしょうね?」
ドキ!
「!」
多くの大臣達の中から聞こえてきた、一人の言葉。
個人的な感情…
「誰ですか!?今、言ったのは!!王様に対して、失礼であろう!」
茫然としていると、隣にいる老婆が声を上げた。
そう言われてしまうと、私はー…