壊れるほど君を愛してる


*****



俺は莉奈に悪いことをしたから莉奈は飛び降りたんだ。小説の内容を見る限り、俺らの勘違いで酷い目に遭っている。


その日はずっと泣いていて、ご飯も食べる気がしなかった。


俺の記憶喪失は莉奈を自殺に追い詰めた神様からの罰なんだ。俺が全ていけなかったんだ。


謝りたい。君に謝りたい。


そして、ちゃんと仲良く接してあげるんだ。


きっと俺と話せば彼女も笑顔になってくれる。



もしも……彼女が生きていればの話だ。



俺は征也に電話を掛けた。


『もしもし?』


「征也、思い出せたんだ」


『えっ……』


征也が明らかに戸惑っているのが電話でも分かる。


「俺、謝りたいんだ。自殺まで追い詰めた後輩の女の子に」


俺がそう言うと、電話の向こうに居る征也は黙ってしまった。


「冬休みが明けてから頑張るよ」


『そっか、頑張れ!』


征也の優しい声に少し救われたような気がした。今度は俺の番だ。


救う前に殺してしまった君を俺が救うんだ。ちゃんと謝って、仲良くなるんだ。


俺はそう決心したのだ。


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