ダメ女
亀裂
明美とは、相性が良くてケンカした事がなかった。

ただ、長野の彼氏が常にゲームに夢中になっていたのでゲームを嫌悪していた。

そして、ピアスを首の後ろにつけていた。

ターンピアスもしていた事があるらしく痛みを感じないらしい。

明美も僕も精神疾患だった。

それをお互い話す事はなく明美は薬をすりつぶして鼻から吸引していた。

「これの方が効くんだよね。」

と笑っていた。

僕は、僕で明美の前では薬を飲まなかった。

僕は、少し浮かれていた。

小さくて可愛い彼女を手に入れた事に…。

○○と背格好も似ていた。

しかも友達だったらしい。  

同じテニス部で帰りも一階だったと聞いた。

職場が一緒だった事は伝えたが付き合っていたとは言わなかった。

二人で良くゲームをしていたらしい。

じゃんけんをして負けた方が歩いている人に告白するというゲームだった。

詳細は聞かなかった。

明美は、付き合って少しして仕事を辞めた。

明美には、借金があったのだ。

だから、僕に内縁の妻でも良いと言ってきた。

僕は、借金あっても結婚したいと伝えた。

明美は、泣きながら父親に事情を話してお金を借りて借金を返して少しずつ父親に借金を返していくと言った。

この時から二人の関係は歪んでいたのかもしれない。

明美は、僕の部屋に引っ越して来た。

明美の母方の祖母の家を訪ねた。

祖父は、入院中で長くないらしい。

「この子、料理とか出来ないわよ。」 

と愉快そうに祖母は言った。

近くの刺身丼が有名なお店があってご飯を食べてから祖父の入院している病院にお見舞いに行った。

足が浮腫んでいたので僕は、マッサージをした。

暖かい家庭だと感じた。

熱海の両親にも祖母にも明美を紹介してその夜に婚姻届を出した。

年末休みに、明美の両親が住む千葉に挨拶に行った。

明美の父親は脳梗塞を患って車椅子で生活していた。

何を話しているか分からなかった。

明美に訳してもらったほどだ。

明美の弟も来ていた。

挨拶は、婚姻届を出してから来なさいという話になっていた。

明美は、借金の話を出来ずにいた。

帰りの電車で泥のように明美は寝ていた。

それくらい、父親に会う事が疲れる事らしい。

明美の祖母に気難しい人だから気をつけてねと言われていた。
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