『The story of……』
~エピローグ~
「お疲れ様でした」
何とか予定通りに作業は終わり、委員会のみなさんに一通りの挨拶をして会議室を出た。
作業が終わってほっとしているはずなのに、気持ちは落ち着かない……。
それはもちろん……、
「何も言わずに帰るの?」
「っ!!」
「冷たいなぁ、上総さん?」
こうやって十二谷くんに会うのが気まずいというか、気恥ずかしいからだ……。
呼び止められたからには止まらないワケにもいかず、
黙り込んで俯いてるわたしに、十二谷くんはゆっくりと歩み寄ってきた。
「会議室で言ってくれたこと、あれってその場の勢いだった?」
「そんなんじゃないよっ」
顔を上げたわたしの目に飛び込んできたのは、悲しいくらい綺麗な灰色の瞳だった。
その灰色に吸い寄せられるように、手を伸ばす。
「……ビー玉みたいだね」
「…………」
薄暗い廊下の隅で、月明かりに照らされた灰色の瞳は透き通るような輝きで、