５人の王子とお姫様！

「聖……？」


様子がおかしくて近付いてみる。


はっと我に返ったように体を揺らした聖は、力なく笑った。



「驚いたな。純粋すぎて、行動原理が僕とはまるで正反対だ」


「正反対…？」


「楓斗曰く僕は理性の塊らしいよ」


「……生意気」


「はは、そうだね」



よく分からないけど……


つまり、私とは思考が相反してるってこと…？


うーん、と唸る私にくすりと笑みを漏らす聖。



「ええっと、問いかけの返事だったね。
うん、きっと天音ちゃんと同じことをしたと思うよ」


私と正反対って言ったのに。


まるで食い違う意見に、疑問を口にしかけて止めた。


自分に言い聞かせるような言葉がひどく真摯的で、邪魔したらいけないと思った。



「でも、琉羽と光邦は助けようとしなかった」


話していたら楽になったのかもしれない。


すっかり調子が戻って、いつも通りに接することができる。