5人の王子とお姫様!



「ええと、これは……」


「ラブレター?」


「うん、多分違うね」


全く同じことを言う聖の横から首を伸ばして覗き見る。


すると、私の目線の高さまで下ろしてくれた。


……さすが、気配りができる。



今日は何が書いてあったのかと、読んでみた。



『こんにちは。
今日も読んでくれてありがとう。
少しは僕のことを考えてくれるようになったかな。僕は相変わらず君を見ているよ。
言葉にできないこの気持ちを、僕はどうしたらいいんだろう。

ねえ、いつも一緒にいる人たちは誰?
どうして君は他の人のところに行ってしまうの?
いいな。僕も君と話したい。並んで歩きたい。甘い香りがするのかな。
君のことが知りたいよ。
趣味は?得意なことは?寮ではどんな風に過ごしてる?
君のことを知って、それから君と…——。厚かましいからこれ以上はやめておくよ。
では、また』


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