5人の王子とお姫様!



「琉羽、ありがとう」


「いいえ〜、みっつーに捕まったら長いからねぇ」



助かった、と琉羽に感謝した矢先。


私はそれを撤回した。



「あ!ねね、天音、天音!」


「……なに」



思い出したようにあげられた、騒音と見紛うほどの大声にまたも眉を寄せる結果になった。


ただでさえ体力精神力がごっそり削られているのに。


そんな時にこの威力。



二人揃ってなくて良かった、とさっき見送ったもう片方を頭に浮かべて息をついた。



「今日はポニーテールだね!」


「……え、うん」


「もぉ、テンションひくーい!体育祭はこれからだよ。ね!」


そうは言われても、反応しようがない言葉を投げかけられては、ただでさえ口が上手くない私には対応しようもない。



やる気ないって叔母さんに怒られるのは……


やっぱりヤダ、うん。


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