5人の王子とお姫様!



「やっぱ人の言うことは聞いておくもんやな。あ、いっそ体育祭フケて天音と一緒に抜け出すんもアリか。どうや天音」



さらりと軟派まがいのことを言われて、眉を寄せる。


少しでも策を考えてあげたことが馬鹿らしくなった。


相手にするのも腹立たしいのは何故か、聞くまでもない。


本人がこの調子だから、仕方ない。



「2年ならあっちじゃないかなぁ?ええっと……ほら、テント前のあそこだよ」



また、来た…。


ため息が漏れるようなテンションで琉羽がやって来て、今度こそ逃げたくなる。


とはいえ、助けてもらったし…。



「そうなんか?おおきに琉羽!もう行かんといけへん、また後でな」


あの担任怒ると怖いねんなぁ、とブツブツ言いながら去って行く後ろ姿を、光邦には悪いけどほっとして見送った。


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