5人の王子とお姫様!



「聖はほんま丸め込むのがうまいなぁ」


「ある程度、人の表情や微妙な仕草から思考が読めるだけだよ。
人っていうのは予期せぬ出来事に直面すると思考が短絡的になるからね。そこを刺激すればあっという間だよ」


「えー、なにその人心掌握術。怖い…」


俺を含めた面々がドン引く中、聖は余裕の表情で終始ニコニコしていた。


それが更に恐怖を助長する結果になったのだった。



「あっ、てゆーか!どうしようっ。空走ってっちゃったよ!?追いかけようよ!」


「あ、せやな。天音探さんとな!」


思い出したように慌て出して、バタバタと走っていく琉羽と光邦。


……騒がしい奴ら。


やっといつもの調子が戻ってきたのを見届けて、自然と笑みが漏れた。



「で、情報筋ってなんだ?」


「覚えていたんだね。楓斗なら真っ先に天音ちゃんを追うかと思ったんだけれど」


「……は?俺が?」


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