5人の王子とお姫様!
自負できる程度には女嫌いな俺がどうして、いの一番に追いかけると思ったんだ。
怪訝な顔を隠しもしない俺に、聖はさらりと言う。
「あれ?だって楓斗は彼女が嫌いじゃないよね」
「……」
「もっと言えば好きなん——」
「はぁあっ!?俺が!?あいつを!?冗談だろ!!」
「冗談、ね。はは、そういうことにしておこうか」
「冗談じゃねーよ!事実だろーが!!」
「さて、天音ちゃんを探そうか」
「おい、聖…!!」
俺の主張を受け流す聖は、楽しそうに笑いながら歩き出す。
何なんだよ…!
「チッ……おい、行くぞ!」
「え、あ……」
「お前の姉貴を探すんだよ!」
「は、はい…」
さっきのゴタゴタか、俺の言動にか。
ビクつくあいつの弟を連れて、事態の根源を探しに向かうのだった。
【楓斗side end】