5人の王子とお姫様!
焦るほど、躍起になるほど上手くいかなくて。
喉の奥で何度も何度もつっかえる。
「あま、ね……?」
「……そ、ら……」
見知った顔。
駆け寄ってきたのは空だった。
「どうしたの、天音…」
「……っぁ……」
発した声はか細くて。
空の言葉に反応しようとしたけど、それどころじゃない。
頬に伸びてきた手はひんやりしていて、私の体温が異常に高いことを知る。
「あま、ね…っ」
視界がチカチカして、体を支えられない。
グラリと体が崩れ落ちたと思った瞬間。
「あ、っぶねー……」
倒れ込んだ先で何かに包まれる感覚があった。
だれ……?
耳鳴りのせいで声が遠くて、判別がつかない。
「体温あっつ。熱中症かもしれねーな…。チッ、仕方ねーな」
舌打ちが聞こえて、フワリと体が浮く。
朦朧とする意識の中で、声の主が誰か分かった気がした。