5人の王子とお姫様!
絵茉は悪くない。
全部、無条件に信じてしまった私が悪い。
弱者は結局、強者には勝てない。
そんな道理、認めたくなかったのに……
私は、最悪の結果でそれを思い知ってしまった。
忘れかけていたのに、あの人たちは私の前に現れた。
私の中を容易にかき乱して、嘲笑う。
だけど、何よりも重たくのし掛かったのは絵茉の一言。
どれだけ痛い記憶が薄れても、あの時の絵茉の言葉だけはきっと、私は一生忘れない。
「ハア……ハア、ハア……」
こんな情けない、前に進めないままの私を知られたくなかった。
こんな私にも良くしてくれる人たちに。
嫌だ、みんなの所に戻りたくない。
幻滅されたくない。
「ハ、ハ……ハァー、ハア…ハァ…」
暑い。
胸が苦しい。
息がどんどん荒くなって、頭がぼんやりしてくる。
「ゲホ…っハア、ハ、ハア…」
必死に息をするのに、まるで呼吸の仕方を忘れたみたい。