5人の王子とお姫様!
私をダメにさせる。
けど、全部を人のせいにしたら、今度こそ私にチャンスは訪れない。
だから。
1人で頑張らないと。
人を頼って、傷付いたようなあんな顔……
もう、見たくない。
中学の頃にも抱えたよがりが顔を出して、周りの好意を無下にする。
『助けなくていい。
私なんかに優しい言葉、かけないで』
あの頃が蘇る。
反芻する、私の声。
体を丸めて、足を抱える。
感覚を忘れるよう努めて、そっと耳を塞いだ。
ほら、こうすれば……
何も感じない。何も聞こえない。
欠陥だらけ。新しいものなんて欲しくない。
だから何も受け入れない。
だから全部いらないの。
——“お願いだから、放っておいて”
「また、来ます」
何を返せばいいか分からなくて。
私は扉に手をかけて、にこり、笑んだ。
……それがまた人を心配させることには気付かずに。