5人の王子とお姫様!
「空は天音ちゃんが気になる?」
「…?ん、気に、なる…」
聖が座れるスペースを空けるために、座り直した俺の隣に腰掛けて聖はよく分からないことを聞いてきた。
天音の状態はだいぶ落ち着いたし、そのうち目は覚めるだろうけど……
まだ体調は万全じゃないだろうから、それはもちろん気になる。
正直にこくりと頷くと、聖は困った顔をして笑った。
「はは、そういう意味ではないんだけれどね」
「…?」
じゃあ、どういう意味だろう。
無言で聖をじっと見つめて先の言葉を待ったけど、聖は含んだように笑うだけだった。
「天音ちゃん、元気になるといいね」
そう言う聖は、すごく優しい顔をしてて。
ああ、良かった……って思った。
ねえ、天音。
やっぱり、みんな天音が大好きだよ。
それを再認識できて、ほっとした。
同時に少し、もやっとした。
【空side end】