5人の王子とお姫様!



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目が覚めると、視界が暗くてひやりとした。


まだ夢の続きを見ているのかと思って怖くなったけど、すぐに違うと気付いた。


起き上がってあたりを見回すと、薄ぼんやりと見覚えのある部屋で。



ああ、海は遊びに来てたんだった。


倒れた時のことを思い出して、ここが別荘にある部屋だと分かった。



自分の身体を両腕で抱きしめて、はあ、とか細く息をつく。


寒い…。


真夏に、それも布団から起きたばかりでそんなはずない。


クーラーはついてないけど、窓が開けられてるし、微かに風も入ってくるしちょうどいい。


むしろ過ごしやすいくらいなのに。



やっぱり、腕をさすってしまうくらい寒い。


きっと、汗で服がじんわり湿ってるせい。


まだ冷や汗が止まらない。



さっきの夢がまだ鮮明に頭に残っている。


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