5人の王子とお姫様!



押し殺したような、切実な私の訴えに楓斗は何かを言おうとして、何も言わずに口を閉じる。


お互い無言で、言うはずのなかった私の失言も相まって気まずい雰囲気が流れる。



何か、何か言わなきゃ。


今の言葉を撤回する?


冗談だって言って、笑って見せたほうがいい?


いろいろ考えるけど、どれも無駄な気がした。


嘘をついたり取り繕ったりしたって、鋭い楓斗だから、きっと全部お見通しなんだろう。



話題を変えた方がいいかもしれない。


さっきの月の話とか、どうだろう。


綺麗な話をしてたら、私もきっと落ち着いて、そうして明日からまたみんなで笑い合える。


そうしようか、と楓斗を見る。



「悪い、嫌な言い方した」


「……え」


私よりもずっと落ち込んだ顔で頭をガシガシ掻く楓斗にいきなり謝られて困惑する。


< 344 / 474 >

この作品をシェア

pagetop