5人の王子とお姫様!



そんな私を、楓斗は蔑んだりはしなかった。


それどころか、少し穏やかな表情をしている。



「そうやって悩んでる間に自分の中で相手の人物像が悪いほうに肥大化してくと思うんだよ。今お前が怖がってるのは、お前の想像の中の弟でしかない」


「っでも……本当に言われたら…?」


私は、昴に突き放されたら立ち直れない。


ダメな姉だと、真っ向から否定されるのは例え想像の中だとしてもやっぱり怖い。


「それこそ、悩んでるほうが勿体無くねーか?大事なお前の時間を無駄に消費するだけだ」


ぷっ、と小さくおかしそうに笑いながら楓斗は続ける。


「辛い、苦しいとか、嫌な気持ちは後からついてくるもんだから、今悩んでも仕方ねーと思う。
いざ行動してその時ダメだったら、俺がお前にまず謝って、話聞いてやるよ。怒ったっていいし、俺への不満でもいい。罵声浴びせられたって受け止めてやるから、踏み出す一歩だけでも勇気、出せねーか?」


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